
2021.03.10
海抜0メートルから頂上まで一気に立ち上がる鳥海山。日本海からの強い風がもたらす多くの雨や雪が、年月を経て伏 流水となって湧き出ます。「株式会社栄田」は、その伏流水を使った商品づくりを行う会社です。
鳥海山の麓から湧き出る伏流水を汲み上げ、「真純水(しんじゅんすい)」を製造する「株式会社栄田」。
元々は大手企業の協力工場として電気機器の製造を行なっていましたが、2013年に転機を迎えます。
リーマンショックに端を発し、元請会社の大幅な方針変更などを受け、業種を大きく変更することを決断。それま で培った製造技術を活かしながら、秋田の素材で自社独自の商品をつくりたい。その想いから、動物性スープや エキスと呼ばれる調味料をつくる食品製造業への転換を決めたのです。

(元滝伏流水では自動販売機で「真純水」を購入できます)
おいしいスープを作るために重要となるのが、水。良質な水を探して、井戸を掘っては水質検査を重ねたそう。な かなか納得のいく水が見つからずに諦めかけた時、発見されたのが「平成の名水百選」に選ばれた元滝伏流水か らほど近くに位置する水脈でした。硬い岩盤の下、地下深くに流れるその水脈は、豊富な水量があり水質も抜 群。「この水に出会えたことが奇跡でした」と、取締役の佐藤嵩宗さんは話します。
2016年、スープやエキス商品の製造をはじめたところ、取引先などから商品だけでなく使用している水そのもの の品質を高く評価する声が多く集まるように。ミネラルウォーターとして販売したいと手をあげる会社も出てき たことで、水の商品づくりが本格化し、マネージャーの伊東純一さんを中心としたアクア事業がスタート。清涼飲 料水に関する知識がゼロという状態からの挑戦でしたが、「お客様へ安全でおいしい水を届けたい」という一心 で数々の試行錯誤を重ねます。そして2018年、新たに水の製造工場を立ち上げ、「真純水」の販売が開始されま した。
現在ではインターネットでの販売を中心に、右肩上がりに売上を伸ばしているという「真純水」。その最大の特徴 は、超軟水であることです。水1Lあたりのカルシウムとマグネシウムの量が120mg以下の水が軟水と言われて いる中、真純水の硬度は約18mg/L。やわらかな口当たりと水そのものの甘さが感じられる味わいを持ち、料理 や飲み物との相性も良好というその魅力で、全国で着実にリピーターを増やしています。
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「水は、いろんな広がりの可能性を持つ原石だと思います。」と伊東さんが語るように、鳥海山の恵である豊かな 水に価値を見出し、光を当てることで事業を創り出してきた株式会社栄田。この土地から生まれたおいしい水 が、今日も全国へ届けられていきます。
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