
2020.11.20
鳥海山や九十九島など松尾芭蕉が旅した風光明媚な象潟の地で、明治時代より地元に愛され続ける老舗の菓子店「パティスリー白川」。四代目である橋徹さんの手によって、にかほの魅力を伝えるお菓子の数々が新たに生まれています。
明治20年に創業した和菓子店「白川湖月堂」。東京でパティシエの修行をしていた橋徹さんが帰郷し、平成22年に洋菓子をメインとする「パティスリー白川」へと生まれ変わりしました。
当初は、東京で学んだお菓子を広めたいという想いだったという橋さんですが、秋田の食材の豊かさを知るにつれ、徐々に地元の素材をお菓子で美味しく食べてもらいたいと思うように。

(商品づくりは奥さんと二人三脚で取り組んできました)
そうしてさまざまな地元食材の生産者との出会いを重ねた結果、地元の美味しさが詰まったお菓子の数々が生み出されてきました。
「朝摘みいちじくパイ」は、昔からにかほ市で親しまれてきたいちじくを使用。いちじくを朝に収穫し、その日中に加工するという産地だからこそなせる技が光る逸品で、鳥海山・飛鳥ジオパークの認定商品にもなりました。
さらに、にかほ市商工会の「たら・しょっつる事業」で地元の鱈を使った魚醤のしょっつる「うわてん」を手がける日南工業株式会社と共同で菓子作りにも挑戦。独特な香りが最大の課題でしたが、何度もの試作を繰り返し、生地の中にしょっつるを練り込んだ「たらどら」が2015年に完成しました。
「また、にかほ市の魅力を伝える商品として、悠然とそびえる鳥海山をモチーフとした大きなシュークリーム「山シュー」も開発。どなたでも満足できるボリュームでありながら、最後まで飽きずに食べられる甘さのバランスが絶妙なこの商品は、毎日完売するほどの人気で、今ではお店の看板商品となっています。
そしてアーモンドの香ばしさと食感が楽しめる「ねむのはな」は、旧象潟町の花をイメージしたお菓子。先代から始まったこの商品は、手間を惜しまず1枚1枚手焼きすることが美味しさの秘密だそう。
ニカホプレミアム|秋田県にかほ市統一ブランド|一般社団法人にかほ市観光協会
近年では、周辺地域の生産者の方から食材をお菓子に使って欲しいと声がかかることも多くなりました。「山も海も近く、見所がたくさんあるにかほをお菓子で伝えていきたい。そういう意味で、食材も地元の魅力が伝わるものを使っていきたいんです。お菓子をお土産にした方がご自宅でにかほの想い出話をしたり、ここのお菓子をきっかけににかほを楽しんでもらえたりしたら嬉しいです。」と話す橋さん。地元の魅力をお菓子へと昇華させる橋さんの挑戦は、これからも続いていきます。
ニカホプレミアム|秋田県にかほ市統一ブランド|一般社団法人にかほ市観光協会