
2019.5.24
秋田県沿岸の最南部、山形県との県境に位置するにかほ市象潟。その地で昭和10年に創業した伊藤製麺所は、地域の方々に愛され続けるご当地うどん「象潟めん」で知られる製麺所です。
「象潟うどん」は創業以来、うどん作りに重要な水には霊峰・鳥海山の清らかな伏流水を使用し、製造工程で長期熟成をかけることで、ツルツルとした喉ごしと、独特のコシや噛みごたえを生み出してきました。うどんの中でも柔らかめの“やさしいうどん”として、老若男女問わず地域で親しまれてきた「象潟うどん」は、赤ちゃんの離乳食としても好まれてきた、いわば象潟のソウルフードです。

(「象潟うどん」のパッケージにデザインされているのは、松尾芭蕉の句にも詠まれているにかほ市の花・合歓(ねむ)の花)
現在代表を務める伊藤実社長は三代目。20年前に帰郷し、代々受け継がれてきた味は守りつつも、「特産品とは何だろうか」とその在り方を模索してきました。そんな中出会ったのが、にかほ市・日南工業株式会社が5年前に商品開発したタラの魚醤「うわてん」。にかほ市金浦地区は、毎年2月に「掛魚まつり(別名タラ祭り)」が行われるほどタラ漁がさかんな地域として知られており、その天然の真タラを使った特産品として魚醤が誕生したのです。
ニカホプレミアム|秋田県にかほ市統一ブランド|一般社団法人にかほ市観光協会

(ポップなパッケージが目を引く「タラーメン」。ブルーが鱈しょっつる味で、オレンジが鱈しょっつる醤油味)
「地元の食材を使った商品を作りたい」という想いを温めてきた実社長は、夢を形とすべく商品開発に着手。うま味成分が強く、比較的臭みが少ないタラの魚醤を使った深みとコクのあるスープと、かん水が少なめで身体にやさしくもっちりとした食感のストレート麺をセットにした、化学調味料不使用の「タラーメン」を世に送り出しました。
「ここまで長く地元の皆さんに支えられてきましたから、にかほ市の特産を使った新商品を作って、にかほ市民に恩返しをしたかったんですよね」と実社長は語ります。観光PRの面でも役割の大きい地域の食品製造加工事業者として、初代から続く伝統の味を守りつつ、地域の新たな顔となる商品作りの歩みを進めます。
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